【ネタバレ】鬼滅の刃感想 第65話 誰の勝ちか

下弦の壱である魘夢を倒した後に現れた、上弦の参となる猗窩座!!
「斬らなければ!! 鬼の頸を…早く!!」
夜が明ける直前、鬼殺隊・柱の煉獄と猗窩座の膠着した状態に炭治郎が切り込みます!

「夜が明ける!!」
「ここには陽光が差す…!!」 「逃げなければ 逃げなければ!!」
炭治郎の台詞から、猗窩座登場前から夜明けは近かったはずです。思っていた以上に煉獄さんとの戦いに手こずってしまったのか、そもそもこの場に猗窩座が現れた理由が明確になっていませんね。

「絶対に放さん」
「お前の頸を斬り落とすまでは!!!」
既に満身創痍のなか猗窩座の右腕は更に煉獄さんの鳩尾を貫き、それでも鬼の頸に日輪刀を食い込ませ、左腕を掴んで放しません。上弦の鬼の圧倒的な胆力に真っ向から対峙出来ているのは、常中・呼吸の力もあるのでしょうが、何より鬼殺隊・柱の意地で抑え込んでいるのでしょうか。

「伊之助動け――っ!!!」
「煉獄さんのために動け――っ!!!」
前回、伊之助は二人の異次元の戦いに足手纏いになると察し退いていたのですが、現時点においては膠着状態。これまでの彼らしくなく、臆してしまった部分もあったのでしょうか、炭治郎の叫びに我に返ったように動き出します!

伊之助が我流の剣術(獣の呼吸)を繰り出そうとした瞬間、強烈な踏み込みを見せる猗窩座!

煉獄さんは放さなかった!
それでも掴まれた左腕は千切り抜け、右腕は煉獄さんの体内に残したまま離脱を図ったようです。両腕を押さえられているため、人ならば絶対に回避不可能な状態だったのですが、不死身の鬼ならでは脱出方法です。といいますか、日輪刀も(横からの馬鹿力を持って?)折っているようですが、これはもう半分以上斬り落とし掛かっていますよね。上弦の鬼ならではなのでしょうか? 不死身性も極まれりです。

陽光の陰、鬱蒼と茂る林のなかへ隠れようとする猗窩座!
その猗窩座に向かい刀を振り上げる炭治郎!! 特殊な呼吸を用いているのでしょうか(ヒノカミ神楽?)、炎のような軌跡を纏いつつ、凄い勢いで刀を投擲します!!!

ド ギ ュ
炭治郎が投げた黒色の日輪刀が猗窩座の胸を貫きます!
い、痛そう……。などと思ったのですが、二コマ前には頸に半分以上も食い込んでいた煉獄さんの折れた日輪刀を投げ捨てています。頸そのものが千切れ掛かっていた状態のはずですが、どうも既にくっついているような様子です。

「逃げるな 卑怯者!!」
「逃げるなァ!!!」

ビ キ
炭治郎のなじる言葉に、青筋を立てて思い切り反応する猗窩座!
「何を言っているんだ あのガキは」
「俺は鬼殺隊(おまえら)から逃げてるんじゃない 太陽から逃げてるんだ」
「それにもう 勝負はついてるだろうが」
「アイツは間もなく力尽きて死ぬ!!」
当然のこととして、鬼である猗窩座の言い分としてはそうなのでしょう。

「いつだって鬼殺隊は お前らに有利な夜の闇の中で戦っているんだ!!」
「生身の人間がだ!! 傷だって簡単には塞がらない!! 失った手足が戻ることもない!!」
――確かにそうです。
ここまで感じていた鬼と人との身体的な理不尽さを、はっきりと炭治郎は口にしてくれました! 鬼殺隊・隊員、そして煉獄さんは柱の一人として、元より承知の上での戦いではあったのでしょうが、炭治郎は叫ばずにはいられなかったのでしょう。ずっと周囲に対して長男をしていた炭治郎ですが、ここまで取り乱すのも珍しいです。この場面で猪の被りもので感情の読み取りにくい伊之助ですが、小刻みに震えながら何を想っているのでしょうか?

「煉獄さんの方がずっと凄いんだ!! 強いんだ!!」
「煉獄さんは負けてない!!」
「誰も死なせなかった!!」
「お前の負けだ!! 煉獄さんの」
「勝ちだ!!」

「あああああ!!」
あとはもう、ただ泣き叫ぶだけの炭治郎。
痛いほどに彼の気持ちが判ります……。

「もうそんなに 叫ぶんじゃない」
そんな炭治郎の様子を、死闘の血に塗れながらも、穏やかな表情で見つめる煉獄さん。

「腹の傷が開く 君も軽傷じゃないんだ」
「竈門少年が死んでしまったら 俺の負けになってしまうぞ」
煉獄の兄貴――!
炭治郎の比ではないほどの重症なはずですが、それでも穏やかに諭すように炭治郎に言葉を掛ける炭治郎。
「こっちにおいで」
「最後に少し 話をしよう」
最後だなんて――煉獄の兄貴!!

「思い出した ことがあるんだ」
「昔の夢を見た時に」
強き者が 今、伝えることは…
次号センターカラー!!
――煉獄の兄貴イィ!!!